バレー女子が中国撃破!メダル王手/ロンドン五輪バレーボール女子準々決勝

日本(世界ランキング5位)がフルセットの末に中国(同3位)を破り、1988年ソウル大会以来24年ぶりの準決勝進出を決めた。

試合をテレビ観戦しました。素直に「おめでとう」と言いたいですね。選手たちは本当に良く戦っていました。監督の采配も当たりました。終盤に見せた木村選手のぺろっと舌を出した表情、のびのびとプレーできているのが伝わってきて、それぞれが持ち味をしっかりと発揮できた、そんな試合だったように思います。

しつこくブロックに跳び、ワンタッチを取り、粘り強くボールを繋いでいたのはこれまで通りですが、一番の勝因は、ボールを繋いだ後のトランジション(切り返し)時のセット(トス)が「ゆっくり高く」になっていたことだと思います。この日オポジット(セッター対角)に入った新鍋選手のセットも良かったですし、竹下選手のセットも「とにかく丁寧に」という意識が前面に現れていました。それによって、木村選手、江畑選手の持ち味が発揮され、トランジションアタックの決定率が上がりましたね。まるで、2年前の世界選手権を観ているようでした。

佐野選手が予選までと異なり、トランジション時のセットを行う機会が少なかったように思います。これが意図的なものであり、新鍋選手の出場がその為なのだとすれば、これはベンチのファインプレーですね。それくらい、佐野選手のアンダーでのハイセットは今大会まったく不安定で、この日も最終セットにとんでもないセットが上がり、ひやっとする場面がありました。

トランジションアタックは良かったのですが、サーブレシーブからの攻撃がいまいちだったのは気がかりですね。いつも通りといえばそれまでなのかもしれませんが、Aパスが返ると、相変わらずの「低く速く」で、サイドもミドルも窮屈で、大変打ち難そうでした。ここの決定率が上がってくるともっと楽に試合を運べるはずなのですけどね。「ゆっくり高く」に戻せませんかね。今更ですかね。

サーブでは総じて、良く攻めていましたね。良く崩せていたと思います。ミスも多かったように思いますが、攻めた結果なので仕方ない面もあるでしょう。何より、最終セット終盤で交代出場した中道選手のサーブですね。あの場面でサービスエースを奪う度胸と技術。日本の勝利を大きく引き寄せたサーブでした。

総じて、「日本の攻撃の肝は木村選手、江畑選手のトランジションアタック」という、世界選手権以降、口を酸っぱくして言い続けた日本のストロングポイントが、十二分に発揮された試合でした。それを生んだのが「ゆっくり高く」なトランジションのセットでした。サーブレシーブからの攻撃がまだ「低く速く」なのが気になるところですけれど、是非そこは修正して頂いて、準決勝のブラジル戦でも大いに日本の持ち味を発揮して頂きたいです。

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コメント

管理人さんに反論するつもりはありませんが、決して昨日の試合だけ急にトスがゆっくり高くなった訳ではありません。
トスが低く見えるのは中継映像のカメラの位置がいつもの中継より高い位置からで高さが分かりずらいからではないでしょうか。
管理人さんの言うゆっくり高いトスはOQTで失敗しているわけですから。
トスより明らかに木村、江畑の打ち方が変わったんだと思います。
WGの時は確かに速くトスをする中で低くなり打ち切れない形はありました。
でもオリンピックに入ってからはそういうトスは明らかに減っています。
速く低く見えるのはカメラ位置の角度だと思います。仮に速く低いトスが上がった場合でもアタッカーがそのトスを押し込んで相手にチャンスボールを返すのが悪い訳でそこはアタッカーがカバーしてリバウンドをとってもう一度攻撃をし直す。ミスをカバーしあうのがバレーボールではないでしょうか。
昨日の試合はトスがよくなったというより木村と江畑のスパイクの打ち方が予選とは明らかに変わったんだと思います。それはトスがゆっくり高くなったから打ち方が変わったわけではなく、ブロックをかわして逃げるスパイクからしっかり勝負して向かっていったスパイクを打っていたわけです。
そしてしっかりコンディションを昨日に合わせられたのも中国に勝てた要因ではないでしょうか。
ただ気になるのが荒木。
彼女の悪い時はネットにツッコミ過ぎて自分のスイングが出来ずブロックを弾き飛ばせないスパイクになる時です。
メダルを獲得するには荒木の復活がカギになるような気がします。

> ちょっぱあ さん
うーん、そうですか。
私には、昨日の試合においても低く速いセット(トス)に対し、体幹で腕を振れず窮屈そうに体を後傾させ無理矢理ボールを手打ちで押し込む江畑選手の姿を何度も見た気がするのですが…。
ただ、その低く速いセットに対し、合わずにフェイントなどで逃げず、何とか思い切って突っ込んで打ち切っていたところは素晴らしいと思いました。
低く速いセットになっているという根拠は何も試合の映像だけではなく、OQT後、五輪前にこのような記事が出たことにもあります。 > ばれにゅ☆どっとねっと: より速い攻撃へとモデルチェンジ中?!/ワールドグランプリ2012大阪大会前日練習 http://vbnews.net/2012/06/2012_13.shtml

> 管理人さんの言うゆっくり高いトスはOQTで失敗しているわけですから。

この部分がちょっと良く分かりませんでした。
OQT は「低く速いセット(トス)」で失敗していますよね?
荒木選手へのセットにしても大友選手へのセットにしても、速さを追求するあまりセットが低くなり、高さを生かせずブロックに捕まる場面が昨日は何度もありました。
その一因が荒木選手の入り方にあるというのは一理あるとは思いますが。
変わったのは木村選手、江畑選手の方、というのも、それはそうかもしれません。
彼女らの調子が上がったからこそ、周りが安心してリラックスしてセットを上げることができ、ひいては良いセットに繋がった、というのはあるかもしれません。
竹下選手は特に、勝ち急ぐとセットが低く速くなる傾向がありますしね。

管理人さん。
OQTは速く低いトスでなく山なりにしたトスですよ。OQTの前木村選手の特集の番組で竹下選手と二人でスパイク練習の際木村選手の特徴を活かす為にW杯の時より山なりのトスにしたとコメントしてます。映像も残ってます。
だからOQT後トスの速さをより速くという結論に至ったわけです。
江畑選手が打ち切れていないのが何本かあったとおっしゃってますが、速く低いトスに対し江畑選手が一歩目の踏み込みが遅れてトスに間に合わず一番いいタイミングで打てずに押し込んでいるのではないでしょうか。
僕自信はトスを全体的にもう少しネットから離して欲しいと思っていて中国戦に関してはレフトのトスはいい距離感だったと思います。

> ちょっぱあ さん
なるほど、OQTでの低く速いセット or ゆっくり高いセットの件は、どうも私の勘違いのようですね。
失礼しました。
私が低くて速いセットが良くないと思う理由に関しては、先に挙げたエントリーのコメント欄で書いています。 http://vbnews.net/2012/06/2012_13.shtml#comment-109656
以下に引用しますね。
ワールドグランプリ2012大阪大会前日練習時の私自身のコメントです。

--- 引用ここから ---
kaz10000 さんも仰っているように、セット(トス)のスピードを上げると相手ブロッカーを振るだけでなく、味方アタッカーにとっても打ち難いセットになってしまいます。
それを安定して打てるようにとこれまで何度もチャレンジしてきたわけですが、木村選手をもってしても打ちこなすことができず、大スランプに陥ったのは記憶に新しいところです。
速いセットに対し、スパイクのスピードを落とさず、コースの打ち分け等行うには、助走のスピードやスイングのスピードを上げる必要が有るわけですが、これまでできなかったことがこの短期間でそう簡単にできるとは思えません。
となると、なんとか打ちこなす為に助走を短く、スイングをコンパクトに、なんてことになるわけです。
結果、体重の乗らない、へろへろのスパイクになり、例えブロックをかわせたとしても、いとも簡単に相手に拾われることになりますし、ちょっとブロックに当てられただけで簡単にチャンスボールにされてしまうことになります。
また、ブロックをかわす要素として、打点の高さを無視してしまいがちですが、非常に重要な要素です。
ブロックが完成するまでにかかる時間は、横移動にかかる時間だけではなく、ジャンプしてアタッカーの打点に到達する時間も含まれるのです。
ですから、アタッカーの打点が高ければ高いほど、相手ブロッカーの上から打ち込める可能性が高くなります。
それにはアタッカーの打点を生かす、アタッカーの最高打点にセットを供給することが重要なのですが、セットのスピードを上げるということは、セッターにもそれだけのスキルが要求されるわけです。
今回、中道選手のセットが不安定なのは、まさにそこで苦しんでいるように見えます。
もちろん、セットのスピードを上げた上で、セッターがアタッカーの最高打点に安定したセットを供給でき、アタッカーも十分な助走を取って十分なスイングで強いスパイクを幅広いコースに打ち分けられるならそれに越したことは無いんですが、五輪までにそれを完成させるのは、現実的には不可能だと思います。
この短い期間でそれに挑戦しよう、というのはあまりにも馬鹿げています。
まずは「アタッカーが打ち易いセット」を最優先しつつ、ブロックをかわす為には「攻撃の選択肢を増やす」方向でメンバーの選考から考えてくれないかなぁ、と思う次第です。
--- 引用ここまで ---

ちょっぱあさんの言う通り、「速く低いトスに対し江畑選手が一歩目の踏み込みが遅れてトスに間に合わず一番いいタイミングで打てずに押し込んでいる」のはまさにその通りで、そしてそれは以上の理由から、当然のことだと考えます。
ちょっぱあさんが先のコメントで仰っていたように、予選で「ブロックをかわして逃げるスパイク」を打っていたのは、セットを低く速くした影響と考えています。
逃げていたというよりも、逃げざるを得なかったでしょう。
それともう一つ追加しておくと、助走を短く、スイングをコンパクトにし、体幹で腕が触れない手打ちの状況でかつスパイクの威力を落とさないように頑張ると、肩や腰に大きな負担がかかり、故障の原因にもなります。
それが、低くて速いセットに急ごしらえで対応するのに反対する最大の理由かもしれません。
セットが低く速いまま、木村選手、江畑選手のスパイクの威力が上がっているのだとすると、この「無理をしている」状況である可能性が高いです。
心配ですね。

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