全日本女子バレーはメダルを獲得できるのか
Quoted from nikkansports.com > スポーツTOP > スポーツニュース 日本がアテネ五輪メダル獲得へ試練を味わった。過去3年間で1勝8敗と苦手のロシアに0〓3で完敗。通算6勝1敗となり、目標だった全勝を達成できなかった。スパイクは互角に打ち合ったが、ロシアの高さに13本のブロックを決められた。日本は五輪本番へさらなるスピードアップとコンビネーション強化を目指していく。代表チームは今日17日に解散し、23日からの合宿で再招集される。
Quoted from SANSPO.COM 予選は終わった。五輪メダル獲得へ向けて柳本晶一監督が掲げた目標の『全勝』はならなかった。相手はロシア。ニッポンバレーが五輪の舞台で世界一を競ってきた宿命の相手だ。旧ソ連時代と変わらぬ高いブロックに跳ね返され、今予選初の敗戦を喫した。
ロシア戦のレポートにも書きましたけど、管理人は個人的に、オリンピック出場権獲得という結果に慢心せず。オリンピックでのメダル獲得に向けての課題を浮き彫りにしたという意味で、この敗戦は良かったと思っています。他のサイトで、今の日本の状況を的確に言い表されていたので、ご紹介。
Quoted from はてなダイアリー - 天空橋激論交差点 今回の大会での私の日本の評価は日本のバレーが進歩したのではなく、『時計の針を4年前にようやく戻す事が出来た』なんです。
日本はようやく「オリンピックで金メダルを目指します」と言っても良い権利を得ただけ、ようやくスタートラインに立つことができたんだと思うんです。
思えば、高さのあるチームに対してどう戦うかなんて話は、今に始まったことではありません。だいたいが、日本のバレーが低迷を始めた理由の一つに、大型のチームが日本に負けない技術を身につけてきたことにあるんですから。
もちろん、その高さに対抗しようと、日本が手を打ってこなかったわけではありません。その一つが大型化。ただ、この大型化は大失敗だったと個人的には思っています。「単に大きいだけの選手」を優遇し、強化しようとし、挙句の果てには明らかにセッターの適正のない選手をセッターに据えました。結果、レシーブはできない、ブロックは相手の早い攻撃についていけない、コンビは合わないなど、日本の持ち味をすべて失うという、何とも本末転倒なことに。
高さに高さ、パワーにパワーで対抗することは無理があることを、シドニー五輪予選での敗退が教えてくれました。では何で対抗すべきか。管理人の考える最低限必要なポイントをいくつか。
1.サーブレシーブ返球率を10割に
高さやパワーで対抗できないなら、相手ブロックが無い状態を作り出すことです。それには今以上に多彩なコンビネーションを繰り出すことが必要です。そしてその為には、今以上のサーブレシーブ返球率が必要でしょう。10割という数字は正直現実的ではありませんが、9割、せめて8割くらいは無いと、オリンピックでのメダルは難しいのではないでしょうか。
2.ミスを出さない
これも必要不可欠。身体能力で劣る日本は、どんなにトレーニングに励んでも、技術を伸ばしても、世界のトップに肩を並べるよりちょっと下辺りがやっとではないでしょうか。実力が上の相手にどのように勝利するかといえば、ミスを出して自滅することだけは避けること。きちんと相手のサーブを一発で切り、食いついていけば、チャンスが出てくると思います。
3.何よりも強い精神力
ロシア戦では、相手の高さに圧倒され、自らミスを連発して自滅するという最悪のパターン。自力で勝る相手に、我慢して我慢して、粘って粘って、地味にサーブレシーブを返し、ミスを出さないというのには何ものにもへこたれない、最後まで諦めない、強い精神力が必要でしょう。
以上、当たり前のことを偉そうにたらたらと書いてみました。それくらい、日本がオリンピックでメダルを取るのは難しいということ。しかし、可能性はゼロではないということ。オリンピックまで期間は短いですが、どこまで強くなれるのか、楽しみにしています。
コメント
管理人さんの意見に賛成です。よくバレーボールがわかってらっしゃる!
そうです、男子はともかく女子はサーブレシーブですよ。その返球率が高くなれば1点差でいけると思います。その良い例が、関西の高校・大学のバレーボールが関東の高校・大学に勝てないということです。女子の四天王寺が優勝したときにはサーブレシーブの返球率が良かった。昨年、春高バレーでの文京学園高校の返球率は、8割ですよ。170cmが一番大きいチームが春・夏の準二冠です。これが全日本女子がお手本になる一番良い例だと思います。
投稿者: Coach | 2004年5月17日 14:42
>Coachさん
ありがとうございます。
管理人は男子もサーブレシーブの返球率が最重要項目だと思っています。
男子も女子も、一時期は大型化にばかり目が向けられ、守備力がすっかり低下してしまいましたね。
今回の女子五輪予選では守備の重要性が再認識され、非常に有意義であったと思います。
とは言え、高さがあるにこした事は無いわけで、木村選手のようにある程度の高さがあり、守備もこなせる器用な選手がもっと出てくると良いのですが。
今の日本バレーの仕組みを考えると、なかなか難しそうですね。
投稿者: 管理人 | 2004年5月17日 15:23
はじめまして。
こんな大手サイトに取上げられれてしまい、動揺しています。
私自身超辛口なので、ウチのところはバレーファンの受け入れ可能なゾーンが狭いのでご注意頂けると幸いです。
投稿者: どばし | 2004年5月17日 17:28
簡単に、でも構わないのですが(詳しければなおありがたいのですが)、「今の日本バレーの仕組み」とはどういった意味で、なんのことを指すのかを教えてくださいませんか。
私は木村選手なんかを見てると、「高さのある選手が器用さも身につけた」じゃなくて「器用な選手が背も伸びた」なんじゃないかと思います。
「器用で高さがある選手」を増やせないのはバレー人口が少ないからだ、それは『仕組み』のせいだ、という意味での『仕組み』なのでしょうか。
それとも「高さのある選手は守備が下手」なのは、その『仕組み』のせいだ、ということでしょうか。
その『仕組み』自体の内容も何を指していらっしゃるのか気になります。
(いえ、絡んでるんじゃなく、「仕組みって何?」って単純な疑問です(^^ゞ)
個人的には前者の仕組みが根源的な問題かな?と思います。
バレー人口が増えたら「高さのある選手」がもっと増え、そうするとその中で器用な選手を発掘できる環境になるので、「如何にしてバレー人口を増やすか。またバレー人口が増えない原因は何か?(金か?)」と考えますが、見当はずれですかね?(゜_。)?
投稿者: まるるん | 2004年5月17日 20:13
とりあえずメダルを狙うといっても?とは思わせないレベルまでは女子は達しましたね!しかし客観的に見ると中国が一歩リードで、後は、ギリシャ、ケニア以外はだんご状態という感じがします。抽選によってかなり状況が変わるでしょうね!木村選手はオリンピックに行くならば高校最後のインターハイは無理ですね。どうするんだろう?って聞いても誰もわからないんですけどね!
投稿者: ゆう | 2004年5月17日 23:23
>まるるんさん
うまい一言が思い付かなかったので安易に「仕組み」などと言ってしまいましたが、私の言いたかった「仕組み」というのは、「学生バレーはあくまでも学校の部活である」ということです。
学校の部活である以上、選手は学校・先生・監督の方針に従って強化が進められます。
バレーボール協会の指導が入ることもありますが、それは絶対的なものではありませんね。
部活というのは、中学なら中学の3年間、高校なら高校の3年間、大学なら大学の4年間でクローズしてしまいます。
その限られた時間の中でもっとも有効な方針を定め、選手を強化し、全国優勝を目指していくわけです。
ぶっちゃけ、その選手がその後、Vリーグに行こうが全日本に行こうが基本的には関係ないんです。
勝つ為のチーム作りを考える中で、適正があるからと、最も高身長の選手をセッターに据える監督はなかなかいません。
これが、高身長のセッターが育ってこない一つの理由。
また、急激に身長が伸びた(または伸びている)為に筋力や神経の発達が追い付かず、細かな動きの苦手な選手には、「お前は打ってればいいから」とサーブレシーブをさせなかったりします。
筋力や神経が最も発達する時期に、それを伸ばすことをしない。
また、「打ってれば良いから」と言われれば、「僕は私はレシーブはしなくても良いんだ」という意識が定着してしまうでしょう。
これが、ずっと「エース」と呼ばれてきた選手の大半が、レシーブを苦手とする一つの理由。
木村選手のような例は本当に稀で、背の高い選手はだいたい、幼少の頃から背が高いものです。
これがもし、サッカーのJリーグのように、Vリーグもジュニアやユースの下部組織を持って、シニアまでの一貫した強化を始めたら……。
色々と難しいのは分かっていますが。
投稿者: 管理人 | 2004年5月18日 11:29
バレーボールだけでなく、他の競技も同様でしょうが、結局一番重要なのは「センス」ではないでしょうか。
いくら高さがあり、筋力やらばねがあったとしても、「センス」というものがなかったら、決して上達・成長は十分にはできないでしょうし、大成もままならないのでは。
よく、やみくもに大型化をとなえる人たちがいますが、「ただ大きければ全てことたりる」という感じがして、そこらへんの認識が希薄に感じたのは、はたして自分だけでしょうか?
「背が高くて器用な選手」が、男子も女子も出てきにくい要因については、管理人さんのご意見には同感です。
Vリーグがジュニアチームを持つのも理想ではありますが、場合によっては、既存の中学→高校→大学を「Vリーグの半ジュニアチーム化」するのも一案では。つまり、Vリーグのあるチームが、必要とするポジションの選手で、自分の契約している高校や大学の選手で、Vリーグでプレーすることが可能な実力をもつ人がいたら、そこのチームの一員として、一軍の公式戦に出場することができると。そして、契約している中学、高校、大学の指導は、そこのVリーグチームをピラミッドの頂点にして、一貫した方針で行うということですね。
あるいは、日本サッカー協会を見習って、トレーニングセンター制度の導入も考えていいのではないでしょうか。
詳しくは↓
http://www.jfa.or.jp/join_jfa/toresen.html
http://www.cablenet.ne.jp/~kiku/wings/trecen01.htm
もちろん、実現・成功には難しい問題もいろいろありますし、成果が出るには10~20年かかるでしょうが・・・。
投稿者: ブルーな人 | 2004年5月18日 22:43
管理人様、回答ありがとうございます!
そうか、ジュニアやユースのことなのか、なるほど。
確かに学校教育では「お前はアタック打ってりゃいいから」は蔓延してるでしょうね。
OQTではレシーブ力強化の重要性やその効果の高さを実感しました。
栗原選手はもとから「打ち分けできる器用な選手」と言われているだけあって、Wカップの頃と比べると格段に上手くなっていて、「やっぱこの娘、スッゴ~イ!『器用』最高!」って思いました。
(それだけに不器用な大山カナちゃんが可哀想になりましたが、カナちゃんも相当意識は変わっていると実感させてくれました。まだまだ頑張ってほしいですが)
あまりに体ができていない中学時代ではどうかな?とも思いますが、高校ぐらいからはカナちゃんみたいに筋力トレーニングもしっかりやって欲しいと思います。それを徹底するためにはやっぱり学校まかせではなく(下北沢成徳は恵まれた環境ですもんね)、ユースみたいなのがあるといいのかもしれませんね。
(とか言いながら、バレー以外のスポーツは興味が無いのでジュニアとかユースとかの定義すらきちんと理解できていない、ていたらくです。)
投稿者: まるるん | 2004年5月21日 09:52
ブルーな人様。リンク先、とても勉強になります。
個人的にはVリーグのジュニアよりもトレセン制度のほうがいいなぁと思いました。
Vリーグの移籍トラブルなんかを見てると、所属チームに縛られず、一定の資格や実績を持った指導者が指導する形のほうがいいかなぁ、と。
おかげさまで「Vリーグのジュニア」と「トレセン制度」の違いはわかりましたが、ユースなるものだけがはっきりと掴めません。
「将来性を見込んだ選手の全国代表」って感じなのかと考えましたが、それだとバレーの全日本Bチームとの違いがなんなのか解りません。
ご面倒でなければ結構ですが、教えていただけると幸いですm(_ _)m
投稿者: まるるん | 2004年5月21日 11:20
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040521-00000067-kyodo-spo
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040521-00020303-jij-spo
ということで本戦組み分け決定したそうです。()内はFIVBランクです。
日本(7)はギリシャ(22)、ブラジル(3)、イタリア(4)、韓国(8)、ケニア(23)と同じ組とのこと。
投稿者: TAM | 2004年5月21日 11:50
http://www.worldvolleyball.jp/oqt2004/jp/athensmatch.html
正式なオリンピックでの競技形式も出てました。
投稿者: TAM | 2004年5月21日 16:33
TAMさん、いつも早い情報ありがとうございます!
私から見ると、結構いい感じの組につけたように思います。
本当にメダル狙えますね!ワクワク(≧▽≦)
投稿者: まるるん | 2004年5月21日 22:35
話題が違うので別投稿にさせてもらいました。連続投稿で申し訳けありません。
西日本新聞の「師は見た アスリートの素顔vol.2」という記事
http://www.nishinippon.co.jp/news/2004/Athens/rensai2/kiji/040418.html
「大型選手は概して下半身が弱い。体が小さい選手と同じようにレシーブ練習をさせると下半身がついていけず壊れてしまう。だから、栗原にはアタックやブロックを中心に練習させた」を読んで、そういう訳ならレシーブ練習をあまりしないというのも、その選手の将来性を大事にしていると言える気がしました。
確かに慎重が高い選手が低い姿勢をしようと思ったら、低い選手より膝を曲げなければいけないし、成長期には負担がきついかも、と。
あ、あとasahi.comの「大山加奈(女子バレー) 不器用な私、1本に集中」で
http://www.asahi.com/sports/column/TKY200404070134.html
栗原選手のことに対してのコメントで「中学時代からユースやジュニア代表でずっと一緒にやってきたので」という記事がありました。
ますます「ユース」が何か解りません…(;´д⊂)
投稿者: まるるん | 2004年5月21日 22:46
まるるん様>
レスありがとうございました。
ユースやジュニアについて。
まず、サッカーなどでは、
(単独チーム)
ジュニアユース:中学生対象
ユース:高校生対象
(ナショナルチーム)
ジュニアユース代表チーム:17歳以下対象
ユース代表チーム:20歳以下対象
現行のバレーボールでは
ユース代表:17歳以下
ジュニア代表:20歳以下
・・・となっております。
投稿者: ブルーな人 | 2004年5月22日 14:08
ブルーな人様、ご回答ありがとうございます。
バレーのジュニアやユースは「代表」ってところが味噌なんですね?
「公認指導者による一貫指導システム」としてのユースやジュニアが無いってところが、今後の課題ってことなんですよね?
できるだけ早くそういった仕組みができるといいですね。
今はただコチ・キャラに期待!って感じです。
投稿者: まるるん | 2004年5月23日 03:43
と、思ったら、「“バレーのまち”貝塚から世界へ…中学生に英才教育」に今頃気づきました。
すみません。
でも、ブルーな人様や管理人様のおかげで、該当記事への理解が深まりました。
ありがとうございました。
投稿者: まるるん | 2004年5月23日 04:04
皆さんこんばんは、すごく根本的な質問で申し訳ないのですが、栗原選手の高校・中学時代はどのような選手だったのでしょうか?今もレシーブの返球率がかなり上がってうまくなり、顔つきを見ていてもワールドカップの時と明らかに違うので、すごい成長ぶりだなぁとは思っていたんです。それまでの(春高バレーの時代ですとか)は、どのような特徴もしくは真骨頂を持った選手だったのか、教えてください。
投稿者: あさ | 2004年5月24日 00:27