高校スポーツ「助っ人」考:/2 戦力にならぬ留学生も /山梨
日本航空高(甲斐市)はバレーボールの全国大会「春の高校バレー」の常連だ。同校女子バレーボール部1年の中国人留学生、方一茗さん(16)は来日約1年になる。身長173センチと大柄だが、動きはぎこちない。日本に来て一番驚いたのは「練習が長いこと」と話す。同校副校長でもある篠原雅成監督(48)は「正直、助っ人にはなっていない」と苦笑する。
女子には現在、方さんら2人の中国人留学生がいるが、ともにベンチ外だ。指導には困難がつきまとう。
最大の問題は言葉。手塚美由紀主将(17)=2年=は「うまく伝わらない時は、とにかく行動で示しています」と話す。記者が、方さんに筆談で「日本に来て成長したことは」と尋ねると、方さんは電子辞書を開き「自立」という文字を示してくれた。
同校男子バレーボール部OBで、卒業後も同校でコーチを務めた喬戎さん(31)は来日当初「バレーボール文化」の違いにも戸惑ったという。中国は攻撃最優先だが、日本は守備が第一。中国はフォームにあまりこだわらないが、日本は形を追求する。「『なぜ』と思うことが多かった」と、喬さんは振り返る。
男子の月岡裕二監督(40)は、実力とは別に、留学生のもたらす「教育的効果」は大きいと指摘する。
「わざわざ母国を出て来る留学生たちはバレーに対しての気持ちが強い。日本人部員は『自分たちより大変な状況で頑張っている仲間がいる』と、思いやりの気持ちを持つようになります」
同校のバレーボール部は男子が91年から、女子も04年から大柄な留学生をスカウトしてきたが、必ずしもそれが勝利に貢献してきたわけではないという。
むしろ同校の場合、学校の生き残りをかけた経営上の戦略という側面も大きい。背景にあるのは少子化だ。
ふむ、高校スポーツに外国人助っ人なんて、という気持ちもありますが、スカウトする側にはする側の苦しみというものがありそうですね。