全日本男子会見コメント(2012年4月10日)/バレーボールワールド

先日行われた全日本男子記者会見においての選手のコメントが、バレーボールワールドに掲載されています。

会見での植田監督のコメントが、物議を醸し出しましたが、選手はどう思っているんでしょう。一部抜き出します。

まず山本選手。

久しぶりに国際大会とか経験して世界のバレーが変わっているなと感じていることは、高さはもちろん高くなってますし、スピードに関しては、以前の方がスピード感はあった。今は高さを生かした戦いをしてくるようになった。もちろんそういうチームは元々高さを持っているチームですが。ちっちゃいチームがスピードでごまかそうとしているけど、うまくいかないという感じ。

小手先だけの勘違いした「速さ」でちょこちょこやっても、世界には通用しないというのを昨年、改めて思い知らされましたからね。山本選手の、その辺りはしっかりと感じ取っているようです。

次は阿部選手。

練習はもう昨日からやってます。南米合宿の時にトスを速くして、ワールドカップではうまくいかなかった件に関しては、ちょこっとなんですけど、速ければいいとかじゃなくて、スパイカーの能力を引き出すということに重点を置くということはいわれました。速いのが好きな選手、米山とかは速いのを打つでしょうし、ある程度高さを生かさなきゃならない選手はそういうトスを打つことになるでしょう。去年も、ワールドカップの前くらいには言ってたんですけど、微調整が間に合わなかったという感じです。

うーん、ワールドカップではそのような様子は微塵も感じられませんでしたが。しかし良い方向に向かっているかな、というのは分かりますね。米山選手だけがちょっと気がかりですが。

次、宇佐美選手。

(速いバレー自体は続けるんですか?)全体的に速いバレーを続けると言うことよりも、個々によって速いバレーをする人間もいれば、トスの修正を図っていかなければならない人間もいます。

この辺りは阿部選手と同じことを言っていますね。「速くて低いトス」と「打ち易くて高いトス」の二者択一になっているんでしょうか。「速くてかつ打ち易いトス」は無いんですかね。

サーブレシーブはある程度返せばいい、アタッカーは好きなところに打てる、いろんなコースにボールが打てるとなると、気持ちも楽になるでしょうし、自分たちで自分たちの首を絞めていたのがワールドカップだった。

「速く速く」を止めることによって、気持ちに余裕が生まれると。そして次は一番大事、監督の言っていた「初速が速くて打ち易いトス」について。長々と説明されています。

(監督の言われた初速の速くて打ちやすいボールというのは?)えーと......ですね。すごく、難しい表現なんです。初速が速くて、アタッカーが打ちやすいというのは。結局はセッターからボールが出ない限りは、相手のブロッカーは動ける状態じゃないじゃないですか。

セッターの手から離れて、やっとブロッカーはそれに反応していくんですけど、それ以前に先読みをして動いてくれるんであれば、僕はまだためている状態で、逆にトスを上げたりできるんですけど、見た目の問題っちゃ見た目の問題なんですけど。ためてからトスを出すことで、まあブロッカーを釘付けにするというのが僕はベストなんじゃないかなと思っています。いくら相手が0.8秒で動けるといっても、こちらのアタッカーが打ちやすければ問題ない。

初速が速くて打ちやすいというのは......。説明しろっていうのが難しいですね。相手を見るというよりも視野に入れるということですかね。相手を視野に入れながらボールをアタッカーに供給していく感じ。ワールドカップの時はどうしてもスピードを最初に求めちゃったので、本当に来たボールをスピードを持って上げるだけだったんで、みんな余裕がなかった。そういうバレーをしていてもあれだけ戦えたとポジティブに考える。アタッカーがどこにでも打ちやすいトスを上げていれば、ワンタッチとれたりしていければ、もっと良いバレーができる。スピードを全て捨てる訳じゃないですし、ある程度スピードも要るでしょうし。ただ、スピードのみを求めてしまうと、安定性を欠いてしまうので。

「初速が速くて」ってのが結局どういうことなんだか良く分かりませんが(苦笑)、言葉の意味通りボールのスピードのことを言っているわけではないようです。少なくとも宇佐美選手は「まずは選手の打ち易いトスを」と思っているようです。原点への立ち帰りですね。

次に山村選手。

ワールドカップに出場して感じたのは、ロシアやブラジルなどの各国の若手のMBの実力が飛躍的に伸びているということ。身体能力がフルに生かされている感じがしました。
(中略)
個人の身体能力で対抗していくのが難しい部分はチームでやっていく。そういう割り切ったディフェンスを敷いていくことも大事になっていくのではないでしょうか。

山村選手自身、身体能力をフルに生かし切れていないことを自覚できているでしょうか。すくなくともスパイクは、もっと高いところで、もっと強く打てるはずなんですが。

ここで取り上げなかった選手のコメントも掲載されています。是非リンク先へ。

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