自滅の展開...日本セルビアに敗れ連敗/バレー女子ワールドGP 2013決勝ラウンド第3戦
バレーボール・ワールドグランプリ決勝ラウンド第3日(30日、北海きたえーる)世界ランク3位の日本は同9位のセルビアにストレートで完敗し、1勝2敗となった。
さて、試合を見ましたので感想を。
敗因ですけど、まずは序盤から宮下選手の雑なプレーが目立ったこと。雑というか、ちょっと怖がって消極的になっていた、という感じでしょうか。第一セット5対5の場面や8対10の場面、15対15の場面のアンダーセットとか、21対24のジャンプセットなどですね。とにかく、楽々ボール下に入ってオーバーパスで上げられるボールを安易にアンダーパスで処理(そしてこれがまた酷いセット(トス)になってました)したり、オーバーパスで上げるにしても、きちんとボールの下に入らないで手上げになって精度を欠いていました。予選ラウンドまではそのような傾向は無く、むしろ一歩目(判断)の早い、思い切りの良さが目立っていたのに、全く正反対のプレーぶりでした。まぁ、思い切りの良さの結果、味方と交錯することもあったり、またオーバーパスでダブルコンタクトを取られたりする場面もありましたから、少し悩んでいる部分があるのかもしれません。ただ、正直言って技術的にはまだまだな選手です。思い切り良く踏み込んで行って、丁寧に上げることをしなければまともなセット(トス)が上がるはずも無く。もっと丁寧に、アタッカーの打ち易いセット(トス)を上げるよう、吹っ切れて欲しいですね。そして周りも、そのような声がけをして欲しいところ。特に眞鍋監督には、ダブルコンタクトなど取られても良いから極力オーバーパスで丁寧に上げに行くように指示を出して欲しいと思います。責任は俺が持つからと。
敗因としてもう一つは、序盤からきちんとサーブで崩しているにもかかわらず、ミハイロビッチ選手を全くと言っていいほど捕まえられなかった為、終盤までもつれ、最後には根負けしてサーブで攻められなくなったことです。あれだけ良いようにミハイロビッチ選手に打たれると、やはり厳しいですね。しかもサーブは非常に効果的でしたから、ストレスもたまったことでしょう。おそらくブラコチェビッチ選手を潰すことを第一目標にしており、ミハイロビッチ選手のマークが甘くなっていた部分はあるんでしょうが、それにしても、です。ブロックの上からコートの真ん中に落とされる場面もありあれは仕方ないにしても、長く入って来たボールはもう少しディグで上げたかったですね。ブロックも、もう少しワンタッチを取って切り返したかったです。高さがあるとは言っても、すべてが触れないような通過点を通ってはいませんでした。
もう一つ、これは直接的な敗因では無いと思いますが、佐藤選手のアンダーパスの処理位置が異様に高かったのが気になりました。どうしてあんなに突っ立って、慌てて処理するんでしょう。高い位置で処理するなら、オーバーパスで処理すれば良いんじゃないでしょうか。些細なことですけど、アンダーならもっと低い位置で処理されるのが一般的であるのに、一人だけあの位置で処理されると、周りが「えっ」てなるんですよね。テレビで見ている私が思うのだから、実際コートの中に入っている選手達は言わずもがなでしょう。何か理由があり、チーム戦術としてあれをやっているのならあれですけど(それは無いでしょうね、他のリベロはあんなことしてませんし)、そうでないなら普通の位置で処理された方が、アタッカーが助走に下がる余裕なども生まれますし良いと思います。
途中から入った平井選手と橋本選手は非常に良かったんですけどね。ちょっと、セッターを代えるのが遅すぎたと思います。本気で勝つ気なら。今大会、眞鍋監督はどうも宮下選手を引っ張りすぎるきらいがあって、勝利よりもまずは宮下選手に経験を積ませることを優先してるのかな、と思うのですが、それならばある程度仕方ないとして、これも敗因の一つになると思います。
結論としては、できることをきちんとやれていなかった試合だったと思います。メンバーをとっかえひっかえやっていることはプラスだと考えていて、まだ色々試行錯誤の段階ですから色んな選手に経験を積ませる意味でも良いと思います。その辺りの連携でミスが出るのは仕方ないですが、関係のない基本的なプレーの精度が低かったように思います。難しいことに挑むことも大事ですが、パスの一つ一つをもっと大事にして欲しいです。
ここまでの戦績ですが、中国とブラジルが3連勝、セルビア2勝1敗、日本が1勝2敗、イタリアとアメリカが3連敗となっています。
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