日本、五輪銀の米国に敗れ2連敗/バレー女子ワールドGP2013仙台大会2日目結果

バレーボール女子のワールドグランプリは17日、仙台市体育館などで予選ラウンドの第8戦が行われ、日本は米国に1-3(17-25、19-25、25-21、18-25)で敗れた。

とのことです。

テレビ観戦しましたが、明らかに宮下選手のセット(トス)の精度が悪く、アタッカーが打ち切れないという状況にも関わらず、宮下選手を交代させずにアタッカーを交代させていました。これを見て「ああ、この試合は捨ててでも宮下選手を我慢して試合に出し続け、彼女の成長を促すのかな」と思ったのですが(決勝ラウンド進出は開催地ですので決まっている訳ですし)、3セット目のあの場面で橋本選手と交代させるということは、勝利を捨てていたという訳ではないのでしょう。とすると、あそこまで宮下選手を引っ張った意味がいまいち分かりませんでした。おかげで、アタッカーのリズムは狂ったまま、セッターが代わったからといってどうにもなるものではなかったですね。

思うに、宮下選手は「速いバレー」の呪縛にとらわれているような気がします。ロンドン五輪を終え、「また速いバレーに取り組む」というのは監督や選手らも公言していますし、ここまでの闘いを観ても、「サイドへのセットを、ハイセット(2段トス)を含めて更に速く」というのは見て取れます。この日の宮下選手のサイドへのセット(トス)は、アンテナの外へすっ飛んで行くようなセットが多く見られました。スピードを重視するあまり、アタッカーの打ち易さというものがすっかりスポイルされていた気がします。ベンチの要求通り速いセット(トス)を上げる→アタッカーが打ち切れない、ブロックにつかまる、アウトにする→自分のセット(トス)が悪いのだと思い修正する→ますます合わなくなって行く、といったような悪循環。

監督や選手が「また速いバレーを」と言っていることから、少なくともロンドンでメダルを取った際には「速いバレーはしていなかった」ことは明白です。にもかかわらず、何故「速いバレー」にこだわるのか。ロンドンでメダルを取った時から比べ、ブロックに開いた大穴は塞がり、リベロはオーバーでのセットが可能になっています。それだけでも大きな上積みです。特にブロックは、戦術的に大きな進歩を促すでしょう(ようやく普通になる、とも言えますが)。であるのに、「速いバレー」です。身長が低くても、セット(トス)を上げる為の技術が一級品であるという理由で正セッターの座に座り続けた竹下選手が去り、その竹下選手でさえついぞものにすることのできなかった「速いバレー」を、本格的に全日本でセット(トス)を上げ始めたばかりの若いセッターにやらせようとしているのです。疑問を感じずにいられません。

勘違いして欲しくないのは、「打ち易いセットを」というのは某解説者が言っているような「近代バレーでは絶対にやらないポーンと高く放り上げるようなオープンバレー」をしろ、という意味ではありません。「速さ」と「打ち易さ」の妥協点と言いますか、ぎりぎりアタッカーにコースの打ち分けやブロックアウトする余地を残した「速さ」というものがあるはずです。そこを超えると、この日の宮下選手のようなセットになります。途中出場した橋本選手のセットと、球質を比べてみれば良くわかると思います(とは言え、橋本選手もチーム戦術に従わざるをえないんでしょう、「速く低く」なる傾向が見えますが)。

宮下選手にはぜひ、のびのびとプレーできるような環境を与えて上げて欲しいものです。そしてアタッカーに対しては、打ち易いセット(トス)を。

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コメント

お久しぶりです。
太鉄さんの仰る通り宮下選手は、いっぱいいっぱいになってる感じがありますよね。まして、世界の高さに面食らって、恐怖感からミドルを使えない状況にあるみたいですし。アメリカみたいにパンチリードを徹底されたら、ネット際で処理する女子の速攻の場合は真ん中からは自殺行為ですし、岩坂、大竹選手は少し遅いですし、宮下選手の気持ちも理解できますが。
ミドルが機能しないと、仮に高速バレーが完成しても、待たれたらブロックの餌食になるのは当然なのに、未完成な状態なら無謀すぎです。また、佐野選手の課題であるセットアップができる座安選手、吉田選手も、リベロの基本のレセプション、ディグがあまりにも、見劣りすると、なかなかうまくはいきません。
座安選手がサーブで狙われて、木村選手がカバーするとか、頭の痛い光景でした。新しく招集された佐藤選手が一番スムーズな感じに見えましたが、セットはうまくないですね…。長岡選手の使い方も、試行錯誤してるようですし、不安感ばかりです。
まあ、今年は試行錯誤の年で、来年からは方向性も見えてくると思うので、とりあえず様子見します。長々と失礼したした(笑)
暑い日が続きますが、御自愛下さい。

> ゆうさん

宮下選手が(橋本選手も)なかなかミドルを使えないのは、今回は特に攻撃力の低いミドルが揃っていることも要因の一つと思っています。
平井選手くらいでしょうか、今回のメンバーの中で見てて安心できるのは。
あと、ゆうさんも「ネット際で処理する女子の速攻」と仰られているように、もう少しネットから離してコースを打ち分けるようにはできないんでしょうかね。
アメリカのセンターからの攻撃が全然止まらなかったのは、決して「高いから」だけでは無いと思います。
確かに今回、リベロがあまり良くないですね。
特にレセプション含め、ファーストタッチがどうも低いんです。
もっとゆっくりでいいと思うんですけど、あの辺はベンチからの指示なんでしょうかね?
選手全員、いまいち「今やってることが本当に実を結ぶのか」と疑心暗鬼とまではいきませんが、疑問を持ってプレーしているところがあるように見えます。
手探り状態と言いますか。
成果が出てくるのはもう少し後かもしれませんが、それまでに潰れてしまうような選手が出ないことを祈るばかりです。

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