最後の、スーパーエース (後編)/バレーボールワールド

5月に現役を引退した山本隆弘のインタビュー

最後の、スーパーエース (前編)/バレーボールワールド」の続きです。

いやはや、何とも興味深いないようになっています。以下引用しつつ。

普通のコンビでもトスを1メートル短くして、ブロックの基準をまず中側に寄らせて、ライン側を空けさせるというのが一つの狙い。それと、今まで日本のスパイカーっていうのは、外からぐるっと回り込んで打っていたんですね。極端に言えばネットに対して体が90度くらいになってたのを、そうじゃなく胸がネットと並行になるくらいに入って、スパイカーの判断で打つっていうのが今の考え方。

ゲーリー監督になって、サイドへのセットはあえて短めに上げているとのこと。これはなかなか面白い取り組みというか、まったく思いつかなかった発想ですね。

――短くしても打てるということ?
短くなると思って入ってますからね。

そう、「短い」って分かってれば短くても問題ない。そして話題は「速いバレー」に。

――ロンドンOQTまで2年くらいやっていた速いバレーというのはどんな感じだったの?
あれはあれでメリットもあったんですよ。デメリットとして、スパイカーの最大の技量を発揮できないということが言えます。セッターによって打つコースをあらかじめかなり限定されてしまうんですね。ゲーリーさんは逆のパターンを選んだという感じですね。
(中略)
別に一本で決めろといわれている訳じゃないんで、リバウンドもらったり、次切り返してとっても、その攻撃は一点なんで。それが今までみたいに高速バレーしていいると、そういう判断もできなくなっちゃうんですね。

速いバレーには、リバウンドを貰うなどの判断ができなくなるデメリットがあると。

――じゃあ、場合によっては低くて速いトスも打つ?
低くて速いトスなんてのは簡単に打てるんですよ。ただ単に速く打てばいいだけなんで。ブロックとどう勝負するかは別ですよ。でも逆にいえば、若い奴らなんかは、速いトスでやることでごまかしてきちゃって、ハイボールが打てなくなっちゃってるんですね。
高いトスの方がボールをずっと見なきゃいけないんで、難しいんですよ。

これは、私なんかのカテゴリーでレベルの低いところでやっていても感じたことです。若い子達って結構、早いタイミングで低めのトスにタイミングだけで突っ込んで行ってドンと打つ、って感じのが多くて、すげー威力のあるスパイクを打てるのに、レシーブが乱れてハイセットになっても同じようにタイミングだけ合わせてどかんと打つだけで、コース打ちもブロックアウトもリバウンド貰うこともできず、何本かシャットアウトされるとフェイントで逃げ始める、みたいなのを何人も見ました。

この話をする時にいつも思い出すのは、高校の先輩が「オープントス打つよりセミの方が楽だ。オープンは疲れる」って言ってたことで、オープンはサードテンポでセミはセカンド(もしかするとファースト)テンポなんですけど、決められたタイミングで決められた場所に飛び込んで打つ、ってのは結構楽チンで、高ーく上がったセットに自分でタイミングを「作って」飛び込んで行くってのは難しいんですよね。私なんかは逆に、決められたタイミングで飛び込むってのがどうも苦手で高いセットばかり打ってましたけど。

そんなこんなで、「速いバレー」の弊害ってのはあるよなぁ、とずっと思っていました。それを、山本隆弘さんも感じていたなんて。ちょっと驚いたのと同時に、私の感覚は間違っていなかったなぁって。

そんな、悪しき伝統から脱却しようと奮闘中の全日本男子。世界選手権予選をなんとか全勝して突破して欲しいものです。

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