ミーハー排球道場 第6回ハイブリッド6/バレーボールワールド
「先日のワールドグランプリで眞鍋Japanが披露した『Hybrid 6(ハイブリッド6)』ですが、結局のところどういうフォーメーションなのでしょうか? わかりやすく解説をお願いします!」
お答えします。
結論から言いますと
『Hybrid 6(以下、ハイブリッド6)』は、「6-2(six-two)システム」と「4-2(four-two)システム」の〝ハイブリッド〟である
ということになります。
『バレーペディア』の編集・執筆者の一人である渡辺寿規先生によるハイブリッド6の解説。大変読み応えのある内容になっていますね。
一方で、【同時多発位置差攻撃】を繰り出すための「シンクロ助走」(※1)を達成するためのカギは、「レシーブ返球位置にこだわらないこと(=脱〝Aパス至上主義〟)」にあります。レシーブ返球位置の「精度に関わらず」、試合中に3人のアタッカーが攻撃参加する場面が多く見られた今回の日本女子ナショナル・チームのアタック戦術は、『ハイブリッド6』を採用するに至った経緯はともかく、結果的に世界標準に近づく1歩となっていたと考えられるでしょう。
まさに、ハイブリッド6の一番の目的は、Aパスが返らなかった場面でもシンクロ攻撃を行うことにあったと思います。「Aパスが返らないとハイブリッド6は機能しません」と言っていた人は、きちんと勉強するべきだと思います。
戦力に限りがある底辺カテゴリのチームならさておき、ナショナル・チームですから技術レベルに劣る選手など、いるはずがありません。「4-2システム」の要素を含む『ハイブリッド6』は、『セリンジャーのパワーバレーボール』に「他に選択の余地がない時だけ用いるべき」とあるように、追求すべき目的を達成するための〝導入法〟であるはずで、これが〝完成形〟ではあり得ません。なぜ日本女子ナショナル・チームが「4-2システム」を採り入れざるを得なかったのか? ... その理由をきちんと紐解いていけば、『ハイブリッド6』を採用せずとも、日本は間違いなく金メダルを狙えるチームになると確信しています。
オチを丸ごと引用してしまって申し訳ないのですが、素晴らしい締めですね。何故全日本女子は敢えて「導入法」を取り入れたのか。いや、「取り入れざるを得なかったのか」。このような付け焼き刃の対応ではなく、真に「完成形」を目指す為には何が必要なのか。これはナショナルチームレベルだけの話ではなくて、日本バレー界が一丸となって取り組んで行かなければならない問題だと思っています。
あ、コラム詳細は是非リンク先で全文読んでくださいね。