女子総括/ワールドグランドチャンピオンズカップ(グラチャン)2005
全然試合を観ていないんですが、見ていないなりになんとなく総括を。
読者の方にもお知らせ頂きましたが、スポーツナビにて、元全日本男子監督の寺廻太氏による以下のようなコラムが掲載されています。
- スポーツナビ|バレー|ワールドグランドチャンピオンズカップ2005 コラム|寺廻太のブラジル戦分析 うまくいかない選手交代
- スポーツナビ|バレー|ワールドグランドチャンピオンズカップ2005 コラム|寺廻太の中国戦分析 評価すべき1セット奪取
- スポーツナビ|バレー|ワールドグランドチャンピオンズカップ2005 コラム|寺廻太のアメリカ戦分析 チームの方向性を打ち出すべき
内容は意外と薄いんですが、目を引いたのが以下の記述。
スポーツナビ|バレー|ワールドグランドチャンピオンズカップ2005 コラム|寺廻太のアメリカ戦分析 チームの方向性を打ち出すべきより引用 また今大会を通じて、チームをどのように持っていくのか、方向性がハッキリしなかった。1勝4敗という結果も残念だが、大山加奈を育てるにしても、使い続けてはいなかったように、選手の起用も大胆さに欠け、まだまだ試行錯誤しているように思えた。また、ブロックの改善が急務なのか、レシーブ力を上げていくべきなのか、といったことも分からなかったし、もっと打ち出すものを打ち出してほしかった。それが今大会で見えなかったのは残念だ。
これは確かにその通りと思います。今年に入ってからの柳本監督の采配には、何か迷いのようなものが感じられます。いや、実際に迷っているんでしょう。思うように招集できない選手、怪我や海外移籍やその他諸々の理由で、しかしその限られた手駒の中で結果を出さなければならないという苦悩。そもそもリベロ、レシーバーとして呼んだ菅山・吉澤の両選手をアタッカーとして使わなければならないということが異常事態です。そんな中でワールドグランプリ、アジア選手権と「何とかごまかしながらやってきた」のが、グラチャンでごまかしきれなくなってきた、という感じですかね。
個人的には大山選手の腰が心配だったので、スタメンで使い続けなかった事にも納得なんですが、ただその事によって「どうしたいのか」、柳本監督としてのチームの方向性「ビジョン」が見えなくなってしまったことも事実です。この辺については、以下の記事。
ニューストップ > トピックス > バレーボール > ブラジルが初優勝、日本は5位…グラチャンバレー (読売新聞) - Infoseek ニュースより引用 通常のオープン攻撃でも、相手ブロックを打ち破れる球威を持つのは大山(東レ)だけだった。だが俊敏とは言えない彼女が入ると、日本の持ち味である速さと守備力が低下してしまうため、柳本監督は最後の2戦を大山抜きで戦った。確かに連係プレーの精度は高まったが、今度は大事な場面で決めきれない、という代償を払うことになった。しばらく、選手選考にはこのジレンマが続くだろう。
「高さを加える」といって選抜した大山選手、しかし守備を重視すればスタメンでは使えない。何度も書いていますが大型化すれば守備力が(著しく)下がり、多彩なコンビを繰り出す為に守備を強化するとどうしても小さな選手ばかりになってしまうというジレンマ。何年もずっとはまり続けてきたこのジレンマから、未だに抜け出せていない。それを再認識させられただけの大会でした。
特に、「大型の割には守備も出来る」はずの木村沙織選手の今回の不調。いや、個人的にはあれは不調ではなく、あれが彼女の今の実力なんだと思っていますけど。思うに、まだまだ彼女には「遠慮」があるような気がするんですよね。サーブカットなんかもっとガツガツと「どけどけ!」くらいの勢いで食らいついて行って欲しいんですが、どうもまだ回りに遠慮がある。もう少し年齢と経験を重ねて来ると、本来の力が発揮できるんではないかと思います。
で、こういう選手、「大型の割には守備も出来る」選手がきちんと計算通り活躍してくれないと、いつまでも大型化なんてのぞめません。夢のまた夢です。そういった「大型の割には守備も出来る」選手として個人的に期待しているのが、栗原恵選手、そして狩野舞子選手。これらの選手が全日本の中心となる頃に、ようやく「大型化」への糸口が掴めるんじゃないでしょうかね。それまではまだ、高橋みゆき選手なり、竹下佳江選手なり、小さな選手の力を借りて行くしか無いでしょう。
そんな事を、改めて思い知らされた大会でした。って、ワールドグランプリあたりでも書いたような気がしますけど。
コメント
大山(加)、木村、狩野(舞)、いづれも確か腰に爆弾抱えての一年だったと思います。木村は腰の不安がカットの不安定化に結び付いていると思います。ところで、選手には怪我はつき物ですが、アスリートの怪我した後のケアについて日本のスポーツ界が本腰入れた大規模な組織的活動が余り無いのが気になります。オリンピック有望選手や強化選手が怪我した時、日本のスポーツ界はどういう方針で対処するのでしょう。これら選手達は国、国民の誇りだし財産なのだから、もう少しハード.ソフト共に充実させ、大切に育てて欲しい。
投稿者: たかぷ | 2005年11月21日 03:46
確かに栗原 狩野 木村 有田らは大型で守備にも期待できる選手ですよね。ただ栗原には腰がすわってしまうスパイクフォームを変えてもらいたいです。木村のスパイクも肘が落ちて前にいく力がないので彼女達には、守備を磨く前にまずはスパイクの撃ち方を変えてもらいたいです。
投稿者: ちびセッター | 2005年11月21日 07:53
皆さんのご指摘どうり、今大会は監督・選手ともに精彩を欠いてましたね。ただ、スポーツはそういうものなので、これを乗り越えた強い日本をまた見たいです。んで個人的には、やはり荒木・大沼両選手をもっとためしてほしかったなと思います。二人とも試合にあまり出れなくて、どれほど通用するかさえもわからずじまいのがすごく残念!あとはやはり守備・レシーブです。アメリカ戦で、松平さんが菅山選手をベタボメでしたが、結局リベロの座を奪って結果を残したのは櫻井選手でした。ここまできたら、北京で彼女にリベロを努めてほしい。元リベロ経験者から見ると、彼女の持つ能力はすごいです。一番個人的に期待してますね。あと、大友選手。僕の地元の中学の先輩なので、本当にガンバってほしいです。
投稿者: 仙台っ子 | 2005年11月21日 11:57
所謂、『チームキャプテン』(それは竹下)ではなく、『ゲームキャプテン』の不在。
これに尽きる。
普段の全日本女子チームでこの任にあるのは、言うまでもなく高橋。
(吉原が主将を務めた去年までのチームでも『ゲームキャプテン』は高橋)
いつまでも彼女に頼っていてはこのチームの上積みは到底見込めない。
例:
タイムアウト時、監督が高橋「だけ」に向かって、よく飛ばす檄。
「バックからリード、バックからリードやでェ、シン!」
これを意訳、
「オマエがサーブカットをリードして、“大きな声”で的確なコーチングの指示を出して、
もっと“ゲームメイク”して行かんかい、ボケタレ」
で、気の強い高橋は「そんなことは分かってる」といった感じで聞き流す。
高橋不在の今回のグラチャンで、
この役割にあったのは間違いなく木村、大友、菅山。
これに加え、復帰の望まれる(サーブレシーブをやる)栗原にも当然、要求される。
が、いかんせんこれは監督が強制してやるものでもない。
バレーのようなネットスポーツはいかに相手のいない状況(数的有利)を作り出し、
そこに打ち込んでいくかという狡さ比べでもある。
一刻も早く、高橋の持つ「企みと如才なさと想像力」と同等のレベルを持ち、
ゲームメイクできる選手がたくさん出現することを望みたい。
それがチーム全体の「勝負強さ」にもつながる。
ただですら、身体的ハンディがある日本。高橋だけではどうにも辛い。
ま、これ以上、高橋を褒めれば、
誰かの菅山絶賛!と同じなので、やめておく(笑)。
さぁ、明日からは植田JAPAN!いてもうたれい!
投稿者: McQUEEN | 2005年11月21日 15:07
僕の意見としては、ある意味いい大会だったのではないかと思います。
まず、木村選手(東レ)が世界の壁につかまったこと。これは、誰でも経験するはずです。おそらく、中田さんや大林さんであっても経験したはずです。その壁を突破するためには、スタッフやチームの協力、そして木村選手の気持ちです。コメントからは前向きな発言を聞きました。どうか、その言葉通り実行してください。
「大型の割には守備も出来る」を、やはり「大型だから守備も出来る」に変えるべきではないか、と思います。身長180cm以上の選手、どうぞ守備が上手になってください。(乱暴な言い方で申し訳ないですけれども)
投稿者: 負けてたまるか | 2005年11月21日 15:17
「大型」と「巧い」という単語が逆説の接続詞で結ばれなくなるようになればいいですな、確かに。
強いとこ一国招待で対抗7連戦とか男子みたいにやってくれませんかねぇ。(以前は有ったですよね?)
投稿者: TAM | 2005年11月21日 16:12
日露対抗はいつ終わったんでした?なんか6連戦くらぃそんなんありましたょねぇ
投稿者: ソ連 | 2005年11月21日 16:37
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/volley/gc/2005/column/200511/at00006722.html
「全日本が体験した5日間の試練 女子大会を終えて」
スポナビコラム追加されてました。
投稿者: TAM | 2005年11月21日 17:20
今の日本らしさっていったい何なんでしょうね?韓国だったらネバリと平面的なコンビ…ロシアはレフト2枚のオープンバレー…フェルナンダーの時のブラジルは立体的でオールラウンダーが多くて速い速いバレー…中国は堅い守備からの高速バレーに加え高さ…
などトップに立つには特徴がありますよね?日本って3Dバレーだったり『変化とスピード』とかあれこれ変わりすぎて見ている方は楽しいですけど…一つ間違えると中途半端で終わっちゃいますよね??1人2ポジションとか…
今大会みたいに木村選手があっちこっち移動して大友選手があっちこっち移動したり…集中するのが大変そぅだと感じました
投稿者: なべっち | 2005年11月21日 19:02
確かに成績は思わしくなかったけれど、「アテネ五輪最終予選の男子よりは数段上」だと思いました。それは、負け試合の中にも必ず「もしかしたら…」と思わせてくれる場面が見られたからです。当時の男子はその「もしかしたら」さえ思わせてくれなかったのでね…。
(少なくともアジア枠以外の試合では)
男子に関しては、成績に関しては何も言いません。ただ、「もしかしたら…」くらい我々に感じさせてください。それだけでも大きな進歩だと思っていますから…。
投稿者: RYU1 | 2005年11月21日 21:57
来年の世界選手権前は全日本合宿はタップリあるんですょNe♪→身体に気をつけ組織をがっちがちに固めて欲しいです!私も辞退者があまり出ないベストチームの強くて世界が嫌がる全日本を見たいです。
投稿者: ソ連 | 2005年11月22日 01:59